ThinkPadを体験したいなら外付けキーボードを使ってみるべき

もうすでに他製品で性能的に十分な端末を所有していてThinkPadを買えない、または試してみたいけどわざわざ買う程のものでもないなと思っている人はこれを使ってThinkPadの一端を感じてもらいたい。

 

ThinkPadトラックポイント・キーボード

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画像のものは私が使い込んでいて多少汚いが勘弁してもらいたい。これはLenovoが発売しているキーボードで、どんなPCでもThinkPadに変えてしまう魔法のキーボードである。黒い見た目に赤いトラックポイント、キーボードなのにマウスのクリックボタンがついていてノートPCのThinkPadそのものである。またテンキーレスでコンパクトなのもよい点だ。

ではこのキーボードが何が良くて便利でThinkPad的なのかを順を追って説明していくことにしよう。

1・マウスが必要ない

ThinkPadを知らない人からすると、「あの赤い丸いやつは何?」と思うことだろう。ThinkPad以外にもないこともないが、ThinkPadの代名詞と言ってもいい通称「赤ぽち」である。

使い方はいたって簡単。赤ぽちに人差し指を乗せてマウスカーソルを移動させるだけ。さらにキーボード下部にある左右のクリックボタンを親指で押すことによって手を移動させずにマウスの機能が使えるのだ。また真ん中のクリックボタンを押しながらトラックポイントを上下に移動させるとスクロールすることが出来る。わざわざマウス機能を使うのにキーボードから手を放してマウスに持ち替えてカーソルを移動してと言った手間がない。ThinkPadを使ったことがない方はそれが当たり前のことだと思うが、キーボードから手を離さなくてもよいという体験をしたら今まではなんだったんだと思うことになる。

2・打ち心地の良いキーボード

ThinkPadと言えばキーボードが良いと言われていることは聞いたことがあると思う。他メーカーのを悪く言うつもりもないが、「ぺちぺち」なものや「ぐむぐむ」なキーボードではPCを使うのもうんざりしてしまう。ThinkPadのキーボードならそんなことはなくとても使いやすい。打った時の指への反発感がとても心地いい。タイピングをしていても疲れないのが特徴だ。

3・軽くて壊れない

キーボード関連でよく聞くのが「買って半年で壊れた」「メーカーは耐久テストをしているのか?」などの故障に関することだ。ほぼ毎日使うものだし打ち込めば打ち込むほど耐久性は落ちていくものであるが、そんななかでもThinkPadキーボードは手を抜かない。私は購入して3年たつがいまだに故障知らずである。猫を撫でるような使い方をしているわけではなく、むしろ粗暴な使い方をしていてもである。

また「丈夫=重たい」が一般的な見解だが、このキーボードは軽い。とにかく軽い。しかも薄い。公式では440gだがそれ以上に軽く感じる。持ち運びも簡単だ。

 

カニカルとの比較

この3点を備えているキーボードは他にはないのではないだろうか。だが上記は質が良いとは言えないキーボードとの比較。キーボードと言えばメカニカルである。そちらとの比較も見ていこう。

打ち心地という点ではさすがに負けるが・・・

打ち込まれることにステータスを全振りしているメカニカルキーボードに打鍵感で戦うとなればさすがに負ける。打鍵感を比べてしまうとThinkPadの方がぺちぺち扱いである。比べる対象が違うとは思うが、使用用途によってはThinkPadの方が良いとも言えなくもない。

打鍵音

カニカルのいいところはその打鍵感だが、それに引き換え音がうるさい。うるさいと言っては語弊があるが、普通のキーボードと比べるとかなり打鍵音の差がある。それに対してThinkPadキーボードは静かだ。ビジネスにも配慮されていて周りを気遣う姿勢は相変わらずである。ビジネスで使ったり静かな空間で使うのならばThinkPadに軍配が上がるだろう。

重量

カニカルはとにかく重くて大きい。中に鉄板などを入れその重さで打鍵を安定させているため重量はなくてはならないものである。ゆえに持ち運びを前提にするものではない。ThinkPadは上記にも記したが軽い。キーボードを持ち運ぶか否かで購入を決める際に参考になるだろう。またメカニカルは厚みがあるものが多い。そのためアームレストなどを併用する人は多いと思う。だがThinkPadキーボードはとにかく薄いのでその必要はない。腕が疲れることもない。長く打ち続けても疲れないのは大事である。

トラックポイントの優位性

カニカルだけではなく、他のキーボードにはもちろんトラックポイントはない。必ずマウスとセットである。これがゲーム用であるならばそれが正解だ。だが近年タブレット型PCや、iPadがマウス対応になったことでこのThinkPadキーボードの真価が発揮されている。タブレット型PCはサーフェスChromebookなどいろいろと発売されているが、セットでついてくるキーボードには目も当てられない。打つたびにぐねっと曲がるキーボードや、反応しているかどうかわからないトラックパッド。それでいて純正だからと万を超える値段で売りつけられる。もうこりごりだ。それに対しThinkPadキーボードは頑丈で打ち心地もよく、トラックポイントもあるのでこれ一つで全てをまかなえる。悲鳴をあげ続けるキーボードや愛想がないトラックパッドに悩まされることもうない。マウスを持っていく必要がなく、荷物が一つ減らせるのも好ポイントだ。また後継機種のThinkPadキーボードはBluetooth接続が可能なのでiPadにも最適である。もし持ち運ぶ場合に重くて大きいメカニカルを持っていくのはまずないがThinkPadキーボードなら全く問題はない。せっかく軽量・持ち運びメインのタブレット端末なのに、重いキーボードやマウスを持っていくのなら素直にノートPCを使うべきである。

 

ThinkPadキーボードの気になるところ

キーボードの性能差もその使用用途によっては優位性が認められることを伝えられたと思う。だがすべてにおいて満足しているかと言えばそうではない。少しではあるが私が気になることを綴っていこうと思う。

ノートPCのThinkPadに比べて打鍵感が軽い

これはどちらがいいとは一概に言えないが、私はノートPCのThinkPadの打ち心地の方が好みである。しっかり反発し、打った感覚があってとてもよい。逆にThinkPadキーボードの方は軽くてたまに打ったのかどうか疑問なときがある。だが言い換えればあまり力を必要とせずに入力することが出来るので、女性やタイピングを長時間する方は好みかもしれない。

接続端子がMicro-USB

これは商品開発時代にこの規格が主流だったのでしょうがないと思うが惜しいところである。できれば現在主流のUSB-Cに変更して欲しい。また接続部が若干耐久性が低い。私のも長く使用しているので少しではあるがぐらつきはじめている。

ThinkPadトラックポイント・キーボードⅡの値段が高い

bluetoothと専用USB端子で使用できるコードレスのキーボードが後継モデルとして発売されているのだが値段が高い。大きな違いはコードレスのみだが値段が倍でだいたい1万5千円ほど。コードレスは便利で見た目もよいのだがもう少し安くしてほしい。もし今使っているのが壊れたら購入しようとは思っている。いつになるかわからないが。

映えはしない

今はキーボードを自作できる時代で、自分好みのおしゃれでカッコイイもの、また高性能で高価なものが発売されている。そういったものをSNSなどでアップしていたりしている方もいるだろう。私もそういうのは大好きである。そういったものと比べてしまうとやはりビジネス感が否めないし、SNS映えしない。だがやはり安定して便利なものは使いやすい。表ではそういった映えるものを見せて裏ではこのThinkPadキーボードを使うのがいいだろう。

慣れるのに少し時間がかかる

何事もはじめて物事を行うときは慣れるのに時間がかかる。トラックポイントももれなくその一つだ。今までの癖で自然とマウスに手が行ってしまったり、トラックポイントを強く押し倒して指が痛くなったりした方も多いことだろう。それもまた通過儀礼。マウスカーソルが遅い場合は設定で変更したり、またカーソルが何もしてないのに動く場合はそのまま2~3秒放っておくと治るなど、ThinkPad使いが情報を絶え間なく公開しているので慣れるのに多くの労力はかからないはずだ。

まとめ

以上がThinkPadキーボードを使用してみてほしい理由である。使用するとわかると思うが、PCにこれを接続した瞬間からそれはもうThinkPadであると言っても過言ではない。一度使い慣れたらもう元には戻れないだろう。メーカーは素晴らしい着眼点である。たまに他のキーボードに浮気もしてみてもいいと思う。だがもうその人差し指は不意に赤ぽちを探していることを私はここに断言する。それもまたあるあるである。

ではよきThinkPad Lifeを。